看護師を目指すシンママに朗報!学費が給付・免除になる制度
看護師を目指し、看護学校に入学することを決意したシングルマザーが、一番気になるのはお金のことです。
看護師養成校に入学した場合、授業料が4年制の国公立大学で年間約53万円~54万円、3年制の効率看護専門学校でも年間約17万円~30万円かかります。
実際には、授業料だけではなく入学金や実習費なども必要になりますし、自分と子供が暮らしていくための生活費も考えなければいけません。
そこで今回は、看護師を目指すシングルマザーの経済面をサポートしてくれる様々な制度を紹介します!
学費が全額免除になる方法もあるので、少しでも節約したいシンママは必読です。
シンママの自立支援や看護師不足対策が目的の行政の支援制度
貧困に陥りやすいシングルマザーの自立や、地方の看護師不足対策のために、国や地方自治体では、看護師資格取得のための支援制度を設けています。
行政の制度は、難しい言葉が並び、わかりにくい部分もありますが、行政が主体ということで安心感があります。
看護師を目指すシングルマザーが一番に検討すべき支援制度です。
高等技能訓練促進等給付金はシンママが必ず申請すべき制度!
「高等技能訓練促進等給付金」は、厚生労働省による、「母子家庭自立支援給付金、及び父子家庭自立支援給付金事業」における施策の一つです。
シングルマザーが、看護師を目指し看護学校で修業する場合、上限3年の間、毎月の給付金と卒業時にも給付金を受け取ることができます。
支給額はそれぞれ下記のとおりです。(2018年4月時点)
月々の給付金支給額
- 住民課税世帯:毎月70,500円
- 住民税非課税世帯:毎月100,000円
卒業時の給付金支給額
- 住民税課税世帯:25,000円
- 住民税非課税世帯:50,000円
ここでポイントとなるのが、住民税課税世帯と非課税世帯で給付金が異なることです。
看護学校に入学時には、住民税が課税されていたとしても、入学と同時に仕事をやめたり、減らしたりしたことによって収入がなくなれば、2年次、3年次には、住民税非課税世帯になっている可能性があります。
1年次のみが住民税課税世帯であった場合3年間で合計3,296,000円を受け取ることができます。
3年間で支給される高等技能訓練促進等給付金の合計内訳
- 1年次:70,500円×12か月
- 2~3年次:100,000円×24か月
- 卒業時:50,000円 ×1回
高等技能訓練促進等給付金の支給対象者
高等技能訓練促進等給付金を受け取るためには、支給資格のための条件があります。
20歳以下の児童を養育していること、児童扶養手当を受給できる所得水準であることなどの条件がありますが、ほとんどのシングルマザーが当てはまるでしょう。
高等技能訓練促進等給付金の支給条件
母子家庭の母又は父子家庭の父であって、現に児童(20歳に満たない者)を扶養し、以下の要件を全て満たす方 児童扶養手当の支給を受けているか又は同等の所得水準にあること 養成機関において1年以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得が見込まれること 仕事または育児と修業の両立が困難であること※平成25年度入学者から父子家庭も対象
高等技能訓練促進等給付金の申請場所は、各自治体の窓口です。
「子育て支援課」や「福祉政策課」等、自治体によって窓口名は様々ですので、ご自分の自治体に確認してみましょう。
この制度の良いポイントは、給付金事業になるので返還義務がないことです。
返済義務のある奨学金(学資ローン等の要返済債権)と異なり、貰いっぱなしでOKなのです。
看護師を目指すシングルマザーがまず検討すべき制度です。
自治体の看護師不足対策による「看護師等修学資金貸与事業」
各自治体が、看護師不足対策として実施している制度です。
シングルマザーに限らず、看護師、助産師、保健師を目指して、修学する場合に資金が貸与されます。
貸与金額や返還方法は、自治体によって異なりますので、各自治体のホームページ等で調べる必要があります。
東京都の場合は、第一種貸与(国公立の養成校で月額32,000円、その他の養成校で月額36,000円)と第二種貸与(一律月額25,000円)があります。
第一種貸与の場合は、卒業後指定施設で5年以上看護師として勤務することで、返還が免除されます。
第二種貸与の場合は、返還免除がありませんので、看護師として働きながら返還していくことになります。
当然、第一種貸与の方が人気でその分、審査も厳しくなりますが、第一種と第二種同時に申し込みもできます。
就職先も同時にGET!養成校の奨学金制度
看護師養成校では、以前から「お礼奉公」「丁稚奉公」などと言われていた制度です。
養成校によって内容は様々ですが、よくあるパターンは、入学金、授業料等の学費の貸与と生活費として月額50,000円程度が貸与されるというものです。
そのため、学生である期間中は、ほぼ無料で授業を受けることができます。
看護学生は、奨学金の貸与を受ける条件として、卒業後は附属病院やグループ病院で指定期間看護師として勤務することを約束します。
中には、指定期間看護師として勤務することで、奨学金の返還義務がなくなる養成校もあります。
養成校の奨学金制度を受けるメリットは、学費の負担がなくなるだけではありません。
卒業後、必ず附属病院、グループ病院で働く約束をするということは、裏を返せば、就職先が確保されていて就活の必要がないということです。
いくら看護師の求人が引く手あまたと言っても、卒業年度は実習と国家試験で大忙しで就活どころではありません。
自動的に就職先が決まっていれば、実習や国家試験に集中することができますし、職場が決まっているということは安心感に繋がります。
看護師養成学校の奨学金制度のデメリット
養成校の奨学金制度を受けるデメリットは、事情があって指定病院で指定期間勤務できなかった場合に、一括での奨学金返還を求められる可能性があることです。
実際に、約束の5年の勤務期間を満たさずに転職したため、100万円程度の金額を一括で返還したという看護師の話もあります。
養成校の奨学金制度を考える場合は、学校選びの段階で、卒業後働くことになる病院の雰囲気や看護師の口コミをチェックしておくことも大切です。
看護師養成校に入学することを考える際には、卒業後の指定期間、子育てと両立しながら勤務することができる病院かどうかを、入学前にしっかりと見極めることが大切です。
看護師を目指すシンママの資格取得をサポートする制度のまとめ
シングルマザーの自立支援、自治体の看護師不足の解消等の側面から、看護師を目指すシンママには嬉しいサポート制度が充実しています。
実際に多くのシングルマザーが、様々な制度を併用することで、貯金ゼロ、収入ゼロで看護師資格を取得しています。
シングルマザーが、看護師資格取得のサポート制度を利用する場合は、まずは返還の必要がない給付タイプの制度を検討することがおすすめです。
更に、他の制度や、養成校独自の奨学金制度を併用すれば、生活費の心配をせずに看護師の勉強に集中することができるでしょう。
収入や求人の多さだけではなく、看護師は本当にやりがいのある素晴らしい仕事です。
お金のことを気にかけずに、しっかりと看護について学び、学生生活を充実したものにするために、看護師資格取得のサポート制度の利用を強くおすすめします!
こちらの記事では、看護学校生活を効率よく過ごし、充実したものにするコツを紹介していますので、参考にしてください。