日商簿記試験に有利な電卓とは?計算機の違いが合否を左右?

簿記試験(商業簿記)では、仕訳を行い、損益計算書・貸借対照表を作成する問題がよく出題されます。

答案作成の途中でミスがあると、貸方・借方の金額が合わなくなりますので、仕訳から見直し(再計算)しなければなりません。

試験において答案ミスの原因は様々ですが、電卓の操作ミスほど、残念なものはありません。

本試験では緊張もしますから、操作ミスは起こりがちです。

しかし、良い道具(電卓)を使いこなすことができると、確実にミスは減らすことができます。

この記事では、簿記試験の力強い味方となるおすすめの良い道具=電卓について、紹介致します。

12桁表示桁数を選ぶべき理由

現在市販されている電卓の表示桁数は、8、10桁、12桁が主流です。

一方で、簿記試験の問題に登場する数字(最大桁数)は、6~8桁と、上位の級ほど桁数が増える傾向にあります。

3級:6桁
2級:7桁
1級:8桁  ※2018年2月実施分

緊張している試験中に、電卓の桁あふれエラーが発生すると、パニックに陥ってしまうかもしれません。

そのため、電卓は、12桁まで表示できるモデルを選んでおくと安心です。

電卓の大きさは手のひらサイズが良い理由

簿記試験で使う電卓を検討するときには、試験会場の状況も考える必要があります。

試験会場の多くは学校になりますが、長机に3人で座るなど、決して広いスペースが与えられるとは限りません。

そのスペースに、問題、答案用紙、仕訳用のメモ、電卓を置いて答案を作成するわけです。

この状況を考えると、極端に大きな電卓は試験中に邪魔になりますし、逆に小さすぎるものは、キーも小さいのでキーの打ち間違いなどが心配になります。このことから、電卓は、答案作成時に邪魔にならならず、キーが比較的大きい“手のひらサイズ”を選んでおくのが安心です。

電卓にあると便利な10種のキーと機能一覧

簿記試験向けの電卓にあると便利なキーや機能をまとめます。

キーキー・機能
GT“=”キーを押した結果を加算し、その合計を表示します。
001回のキー入力で数字”00″を入力できます。
表示数字を1桁戻します。
入力数値の割合(%)を計算します。
小数桁数指定小数点の表示桁数を固定します。表示されない桁の四捨五入なども指定できます。
M+、M-表示中の数字をメモリー領域に加算(M+)、減算(M-)します。
CMメモリー領域だけをクリアします。
日数計算開始、終了の年月日を入力し、その期間(日数)を計算します。
税込・税抜表示金額から税込み・税抜き金額を計算します。
アンサー確認検算時に、前回の計算結果との差をチェックします。

これらのキーを上手に活用できると、キー入力の回数が確実に減少しますから、計算時間の短縮や入力ミスの削減に役立ちます。

適度な重量感が必要な理由

軽い電卓は持ち運びに便利ですが、簿記検定ではデメリットとなる場合もあります。

それは、軽い電卓はキーを打つたびに動いたり、浮き上がったりして、安定したタイプがしにくく、入力ミスの原因となるからです。

電卓は、適度な重量感(100g以上が目安)があり、裏にゴムなどの滑り止めがついているものを選んでおくと安心です。

早打ち対応が必須の理由

電卓の操作に慣れてくると、かなり素早く入力できるようになってきます。

しかし、せっかく早打ちを習得しても、早打ち未対応の電卓で早打ちすると、”123”と入力した際、13”などと、数字の抜けが頻発してしいます。

では、ゆっくりと入力するのが解決策かと言うと、そうではありません。

短時間で大量の計算をする簿記試験に合格するためには、早打ちは合否を左右しかねない重要なスキルです。

そこで、早打ち対応機能が付いている電卓を選ぶことが必須となります。

早打ち対応機能とは、キーから指が離れる途中で押し初めても、次の次のキーまで入力できる機能です。

最近のほとんどの電卓では、瞬間的に複数のキーが同時に押された場合でもキー入力を受け付ける早打ち対応(キーロールオーバー)機能がついています。

通常は2キーまでですが、上記機種機種では3つのキー同時押し対応(3キーロールオーバー)の機種もあるので、しっかりと確認して購入しましょう。

簿記試験に持ち込めない計算機もあるから注意!

多機能な計算機は試験の強い味方でですが、実は試験会場に持ち込めない計算機もあります。

次の様な機能がついている計算機は、簿記の試験では使用禁止なので注意が必要です。

・印刷(出力)機能

・メロディー(音の出る)機能

・プログラム機能
(例:関数電卓等の多機能な電卓、売価計算原価計算等の公式の記憶機能がある電卓)

・辞書機能(文字入力を含む)

(注)ただし、次のような機能は、プログラム機能に該当しないものとして、試験会場での使用を可とします。

日数計算、時間計算、換算、税計算、検算(音の出ないものに限る)

引用:日本商工会議所

また、携帯電話、スマホ(iPhone等)やタブレット端末(iPad等)を計算機代わりに使用するのも禁止です。

ちなみに、そろばんは使用OKです!

今はあまりいらっしゃらないかとは思いますが、電卓が主流になる前は、皆さんそろばんでパチパチやっていたのでしょうね。

当時の試験会場は、そろばんを弾く音で試験に集中できなかったのではないかと想像します。

簿記試験に持ち込みOKのおすすめ最新計算機(電卓)

上記を踏まえた上で、現時点においておすすめな計算機は下記になります。

プロ用実務電卓 12桁表示 カシオ計算機 CASIO JS-20WK

12桁表示、2キーロールオーバーの機能が付いていて、メーカー希望小売価格は ¥12,800のプロ用の高級計算機ですが、ネットなら6,000円前後で購入できます。

カラーは、スタイリッシュな黒バージョンもあります。

プレミアム電卓 12桁表示 3キーロールオーバー カシオ計算機 CASIO S100

CASIOが計算機が電卓発売50周年を記念して作成した最高級のプレミアム・フラッグシップモデルがS100です。

CASIO製の計算機では唯一『3キーロールオーバー』を兼ね備え、電卓としての機能はもちろんのこと、表示、キー、ボディなど、細部に至るまで気品あふれるデザインを感じさせるCASIOのメモリアル・フラッグシップモデルです。

S100では両面に反射防止コーティングを施されているため、ディスプレイウィンドウへの光の映り込みが軽減されています。

さらに、高いコントラスト液晶が採用されているため、非常に優れた視認性が特徴です。

試験会場で太陽の光や蛍光灯の光が反射して、数字が良く見えないなどのトラブルを避けられることが期待できます。

お値段は3万円弱!

計算機とは思えない高額ですが、その分、所有する優越感と満足感は格別なものです。

学校用電卓 12桁表示 シャープ SHARP EL-G37

学校用に開発された計算機がシャープのEL-G37です。

こちらは、専門学校TACがオリジナル文房具としてシャープと共同開発したものらしく、TAC出版のサイトでも販売されています。

簿記の試験用として購入するのであれば、カシオのJS-20WKか、シャープのEL-G37を購入すれば間違いありません。

どちらか迷った場合には、キーの配列の好みで決めるのが良いでしょう。

同じグレードの計算機でもキーの配列がメーカーによって異なります。

シャープ EL-G37 学校用電卓 12桁 早打ち機能(2キーロールオーバー)

カシオ 本格実務電卓 検算・税計算 ジャストタイプ 12桁 JS-20WK

簿記試験におすすめの電卓のまとめ

簿記試験におすすめの電卓の機能を見てきましたが、電卓にはその他にも定数計算機能や静音キーなど、実に様々な機能があります。

簿記試験において電卓は、大切な相棒となりますので、機能をよく理解して日々使いこなすことも重要となってきます。

単純なようで奥の深い電卓、十分検討してよい相棒を見つけてください。

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